ブログ更新遅れてすいません。
今、私はとある撮影現場におりまして、ラインプロデューサーというものを初めて人にやってほしいと言われてやっておりますが、なるほど、いろんな発見があるなと思う毎日でございます。
というわけで今日は、映画制作における制作部ついて話してみたいなと、ちょっと触れていきたいと思います。
まず制作部ですね。
このブログを読んでる方ご存知かどうかわかりませんが僕はそもそも映画の撮影現場においては、録音部という仕事で生業を立てております。
10年ぐらいやってるんで、大体撮影っていうのはこういうもんだろうと、みんなこういう感じで働いてるんだろうなと知ってるつもりであったんですけども、いざ自分がやるとなると立場が変わったら難しい。
わかってるし、余裕だろうと思ってやってみたら、これがこれが大変ですね。
撮影現場という中で技術職だった私ですが(技術職というのは、撮影現場が前線の方にいるんですけど
((撮影に前線も後ろもないだろう!))という話なんですが)画に映るもの、聞こえるもの、そういうところは撮影部、照明部、録音部さんなんていう技術部さんがやってくれていくんですが、制作部という部署がありまして撮影が始まる前に、そもそも撮影ができるように見えないところで頑張る部署と言ったらいいんでしょうか?そんな部署があるのです。
仕事内容としては、めちゃくちゃ多岐に渡り色々ありますが、僕が今、目の前に直面している大変な問題として「車の手配」と「ご飯の手配」と「根回し」です。
車の手配
僕は配車表というものを書くのがとても苦手です。配車表、とは撮影当日などに誰がどの車にどの時間に乗るか、向かうかを記した表です。
これが難しいのは部署やポジション、スケジュールによって出発地、到着地、配車時間が変わってきます。出演する役者さんもスケジュールによって入り時間が変わるし、撮影前にヘアメイクや衣裳を着る時間なども逆算しなくてはいけないのでかなり複雑になります。
またロケ地によっては搬入できる時間や台数に制限があったりするため色々な人と段取りをつけなくてはいけないのです。
そしてその表に間違いがあると連鎖的にスケジュールに影響が出るため責任も伴います。
僕はダメ人間なので録音部でいる時によく制作部さんに「明日は何時入りですか?」と聞かれ「ちょっと考えてるから待ってよ〜」とギリギリまで返答しなかったりしてました。
完全に有罪。
配車を考える人、作る人のことを全く考えていませんでした。過去に戻って自分に叱りたい。
地味に見えますが地味に大変です。
ご飯の手配
人間は生き物なので食事という方法で栄養を摂取して休憩して体を休めないと死んでしまいます。もしくは著しく作業効率が落ちます。
そんな大事な食事の手配も行います。
撮影業界は基本、朝、昼、夕の食事休憩の際は食事(主に弁当)がでます。業界で働く人は当たり前ですが、これは一般的に見ると中々特殊なのではないだろうかと思います。いわゆる一般企業に勤めるサラリーマンの方などは昼食は会社にある食堂だったり自分で弁当を持参したり。残業などあっても夕食代は自分で出す人の方が多いのではないでしょうか?
僕が先輩から聞いた話で考察するに、朝早くの撮影や、ロケでの撮影ですることによりスタッフやキャストが好きなものを食べる時間や機会を奪ってしまっている分、弁当やケータリングで食事を提供している。らしいです。
実際、スタジオ撮影などは食堂があって自由に食べれるので弁当は配布されず、自費でご飯を食べたりします。(休憩時間はちゃんと取られる)もしくは1時間必ず休憩を取るので、食事は各人で自費でお願いします。といったドラマ作品などもありました。
そんな弁当ですが現在関わっている作品では予算の都合もあって合宿場で料理を仕込んでロケ現場であるスタジオへ運んで温め、昼食休憩が始まりそうな頃合いで温めてあったかいご飯をスタッフに提供する。ということをしています。
ハードな撮影、せめてご飯くらいはあったかい状態で、ちゃんとテーブルで落ち着いて食べてほしい。と思うのです。が、これまた難しいです。
というのはなるべく出来立ての状態で食べてほしいなと思うのですが残りカット数を聞いて準備する時間を逆算したりするのも難しい。
実際にはギリギリ攻め過ぎて休憩入るタイミングで僕のご飯運び待ち。みたいななんとも本末転倒な失敗もあります。
また人によっては好き嫌いもあるし、栄養バランス的にどうなんだろう?しかし金額的にハマるのだろうか?安い弁当、安い食材であるのはいいが食品添加物や産地、素材の安全性は大丈夫なんだろうか?
これは個人的な話しですが、病気に悩まされる人生だった僕は健康は食べ物に大きく左右されるという健康論に到達したので自分も然り、関わってくれるスタッフも然りあまり安くて粗悪なものを食べて欲しくないなぁという考えだったりします。
とはいえ、それは僕の勝手な考えで食事にあまり関心のない人や何を食べても健康な人もいます。質より量だったり量より質だったり、そもそも予算の中でやりくりするしかないわけです。
ちなみに身も蓋もない話しをすると、僕は撮影中はお腹いっぱいになると眠くなって頭が回らなくなる体質なのであまりご飯は食べません笑
根回し
根回しってなんやねん。と思われる方もいるかもしれません。
制作部は撮影現場ではお世話になる撮影関係者以外の方、例えばロケーションを管理している会社さん、自治会や役所の方など対外折衝を一般の方と行います。
これは大変です。というのは基本、撮影行為というものは他人に迷惑がかかるもので(騒音が出たり、通行を止めたり、大勢の人間が出入りしたり)ちゃんと段階や段取りを経て説明やお願いをしないとトラブルが発生して撮影自体ができなくなったり、今後一切そのロケ地が借りれなくなったりします。
ところがスケジュールがなくて撮り切ることが優先されてしまう現場などでは余裕がなかったり、急いでいたりすることで物件のなにか壊したり、配慮の欠けた行為で近隣の方に迷惑をかけたりして問題を起こしてしまうパターンもあります。そもそもルールを守らない人、守る気のない人もいたりします。(指定外の喫煙や、大声で話すとか)
尚且つ、それぞれの立場の人たちはできうる範囲で自分の仕事を遂行したいので色々と相談が発生します。
なるべく要望に応えたい。と思うのが人の心ですが、これがなかなか。あっちを立てればこっいが立たず。しかし予算や時間的に可能な線を探る。5メートルあるけば5人に話しかけられる。トラブルシューティングの鬼です。
ここで、タイトルに戻ると。そういった想定外のトラブルを未然に防ぐために対外にも、スタッフ、キャストにも事前に情報の前振りや共有。先方にも撮影がどういった体制で行われて何人くらいが出入りするのかなど分かりやすく事前に説明しておいたりする段取りをつける必要があります。
これは撮影に限らずですが、人間話し方や話すタイミング、順序などがめちゃくちゃ大事だったりします。なんに対してこんなに気を使ってるんだ?とたまに不思議になりますが、それが人間ってもんだよな。と納得するしかありません。しかし故に全ての段取りがうまく行った時のバシーっとした快感があるのも事実です。
全体的に地味な話ですね。
撮影中なんで書いたらあれだと思って、今回はボイスメモなるものに頼ってみようと思ったんすけど、(実際にこれは朝の集合出発前に録音したものを文字起こししたものです。)
いざ喋りだすと 色々出てきて、みんなが撮影でカメラの後ろで映画を作って物を作っている感がある人たちに対してですね。
非常に裏方周りで僕なんかは今回、毎日洗い物したりとか、飯を運ぶ、人を運ぶ、機材や車両をピックする。などに徹してますね。
今までの撮影人生で1番現場にいないかもしれません。
制作部さん、車両部さんって本当すごいな。
自分の知らない仕事で世界は回っている。と言いますが本当その通りかもしれません。
ありがとう制作部さん。ありがとう車両部さん、ありがとう皆様。
ありがとう地球!
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